はじめに|からだの声に耳を澄ませてみると
春から初夏へと向かう5月。
新緑がまぶしく、風がすこしずつやわらかくなる季節です。からだも、冬のこわばりがほぐれて、軽やかさを取り戻したくなる頃ではないでしょうか。
そんなとき、食べるものでやさしく体を整える「腸活」は、自然と寄り添う暮らしの第一歩になります。
難しく考える必要はありません。
旬の食材をおいしく味わうこと、それがもう「腸にやさしいデトックス」のはじまりです。
腸活とは
腸は、食べものの消化・吸収をするだけではなく、免疫・自律神経・ホルモンバランスにも関わっています。
心の調子と腸の状態は、驚くほどリンクしているといわれます。
たとえば、「便秘になるとイライラしやすい」「気持ちが落ち込むとおなかがゆるくなる」といった経験はありませんか?
実はこれ、腸と脳が「腸脳相関」という仕組みで密接に結びついているためです。
だからこそ、腸の調子がととのうと、気分までふっと軽くなることも。
腸活とは、からだだけでなく心まで整えてくれる、小さなセルフケアなのです。
旬を味方に|5月の腸活にぴったりな食材
「旬を味わう」ことには、自然のリズムに寄り添う大きな意味があります。
その季節にいちばん元気な食材は、栄養価が高く、体の巡りをよくする力を持っています。
5月の腸活におすすめしたい旬の食材をご紹介します。
春キャベツ
やわらかく、甘みのある春キャベツ。食物繊維が豊富で、腸のぜん動運動を助けてくれます。
生でも火を通しても食べやすく、毎日の食卓に取り入れやすい一品です。
新じゃがいも・新玉ねぎ
皮の薄いやわらかな新じゃがと、みずみずしい新玉ねぎは、腸内環境を整える「レジスタントスターチ」や「オリゴ糖」が豊富。
善玉菌のエサとなって腸内フローラを育ててくれます。
アスパラガス・スナップえんどう
アスパラギン酸を含むアスパラガスは、疲労回復や利尿作用があり、体の中の「滞り」を流すデトックス効果が期待できます。
スナップえんどうも食物繊維が豊富で、腸活にぴったり。
山菜(たけのこ・ふき)
山の恵みである山菜は、自然の浄化力を体に届けてくれます。
たけのこには不溶性食物繊維が多く含まれ、腸の中のいらないものを押し出すサポートに。
発酵食品(味噌・ぬか漬け・甘酒)
旬の野菜と組み合わせて食べたいのが、発酵食品たち。
味噌やぬか漬けには乳酸菌や酵母が豊富で、腸内環境をととのえる心強い味方です。
腸がよろこぶ、5月の腸活レシピ5選
毎日無理なく続けられる、やさしい腸活レシピを3つご紹介します。
調理もシンプルなので、忙しい日でも気軽に取り入れられます。
1. 春キャベツと塩麹和え
材料(2人分)
・春キャベツ 3枚ほど
・塩麹 小さじ2
・すりごま 小さじ1
作り方
キャベツをざく切りにして軽くゆでる
水気をしぼり、塩麹を加えて混ぜる
最後にすりごまをふって完成
→ 発酵食品×旬野菜のダブル効果。作り置きにも◎
2. アスパラガスと新じゃがの味噌スープ
材料(2人分)
・アスパラガス 4本
・新じゃが 小2個
・玉ねぎ 1/4個
・出汁 400ml
・味噌 大さじ1.5
作り方
野菜を食べやすい大きさに切る
出汁でじゃがいも・玉ねぎを煮て、火が通ったらアスパラを加える
火を止めて味噌を溶き入れる
→ 消化にもやさしく、腸をじんわり温めてくれるスープです。
3. たけのこと玄米のおにぎり|ぬか漬け添えで
材料(2人分)
・ゆでたけのこ 1/4本
・玄米ごはん 茶碗2杯
・白ごま 適量
・塩 少々
・ぬか漬け(きゅうり・にんじんなど)
作り方
たけのこを細かく刻む
ごはんに混ぜて、塩で軽く味つけしおにぎりにする
白ごまをふって、ぬか漬けを添える
→ 玄米の食物繊維+ぬか漬けの乳酸菌で、腸がすっきり。
4. 新玉ねぎと豆腐の梅みそサラダ
材料(2人分)
・新玉ねぎ 1/2個
・絹ごし豆腐 150g
・梅干し 1個
・味噌 小さじ1
・ごま油 小さじ1
・白ごま 少々
作り方
新玉ねぎを薄切りにし、水にさらしてから水気をきる
豆腐は軽く水切りして一口大に
梅干しの種を取り、包丁でたたいて味噌・ごま油と混ぜる
すべてをやさしく和えて器に盛り、白ごまをふる
→ 梅のクエン酸で疲労回復も。味噌と梅の相性で腸もごきげんに。
5. スナップえんどうとしらすのオリーブ蒸し
材料(2人分)
・スナップえんどう 1パック(約100g)
・しらす 大さじ2
・オリーブオイル 小さじ2
・塩 ひとつまみ
・レモン汁 少々(好みで)
作り方
スナップえんどうは筋を取っておく
フライパンにスナップえんどう・しらす・オリーブオイル・塩を入れ、ふたをして弱火で3〜4分蒸す
仕上げにレモン汁をふって完成
→ ビタミン・ミネラル・食物繊維のバランスがよく、腸にやさしい一皿です。
朝から始める、ゆるやかな腸活習慣
腸の動きは「朝」がもっとも活発になる時間帯。
だからこそ、朝の腸活習慣を大切にすると、1日が快適にスタートします。
おすすめの朝ごはん例:
発酵玄米のおにぎり+具だくさん味噌汁
甘酒入り豆乳ヨーグルト+バナナ+ナッツ
白湯やハーブティーでおなかをあたためてから食事へ
また、よく噛んで食べること、食後に少し体を動かすことも腸活には欠かせません。
やさしくデトックスするために|こんな工夫も
5月は気温差もあり、自律神経が乱れやすい季節です。
食べ物に加えて、暮らしの中の小さな工夫で、腸がよろこぶ環境をつくることができます。
夜はスマホを早めに手放し、ぬるめのお風呂でリラックス
白湯をこまめに飲んで、からだの巡りを促す
ハーブ(ペパーミント・カモミール)で腸のガスやハリをやさしくケア
腸が整うと、自然と肌の調子や気分も安定してくるのを感じられるはずです。
おわりに|旬を味わうことは、自分をいたわること
腸活というと「食物繊維をとる」「発酵食品を食べる」といった知識だけが先に立ってしまいがちですが、
実は「季節を味わう」ことこそ、からだが本当に喜ぶ腸活なのかもしれません。
5月の旬の恵みは、からだの中のいらないものを流してくれる優しいデトックス。
心にとっても、余分なストレスを手放すきっかけになります。
ひとつの食材を選ぶことからでも、十分です。
今日の食卓に、ひとつ旬のものを。
その積み重ねが、内側からわたしを整えてくれるはずです。
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